2021年以降の鳥獣戯画展の巡回情報について。

大阪・京都を含む関西や、福岡・名古屋などその他の地域の博物館(美術館)の巡回展が予定されているのか紹介。

結論:東京国立博物館の特別展【国宝 鳥獣戯画のすべて】の巡回予定は無し

2021年4月13日~6月20日まで上野公園の東京国立博物館で開催予定の特別展『国宝 鳥獣戯画のすべて』の巡回予定はありません。

大阪や京都を含む関西の博物館/美術館や、名古屋・福岡など他の地域の博物館/美術館に巡回するという公式発表はありません。

 

鳥獣戯画の今後の展示公開予定も未発表

「次に鳥獣戯画が展示公開されるのがいつなのか?」についても博物館などから公式発表はありません。(2021年6月8日現在)

2021年度は東京国立博物館の特別展『国宝 鳥獣戯画のすべて』以外で展示公開される機会はなさそうです。

 

詳しくは後述しますが、過去の展示実績から予測すると、数年以内に展示公開される可能性はあると思います。

国宝・鳥獣人物戯画は普段はどこにある?

そもそも「鳥獣戯画」と呼ばれることが多いこの絵巻物は、一般的に国宝指定されている『紙本墨画鳥獣人物戯画 4巻』のことを指します。

(この記事でも特に断りがなければ、鳥獣戯画とは国宝『紙本墨画鳥獣人物戯画 4巻』のことを指し示しています。

鳥獣戯画は国宝『紙本墨画鳥獣人物戯画 4巻』以外にも、断簡や縮図、模本などが現存しています。)

 

国宝『紙本墨画鳥獣人物戯画 4巻』は、文字通り「紙に墨で鳥・獣・人物などがユーモラスに描かれた絵巻物」があわせて4巻あり、4巻の絵巻物はそれぞれ「甲」「乙」「丙」「丁」と呼び分けられています。

 

鳥獣戯画といえば、カエルやウサギ、サルなど擬人化された動物が有名で、中でもカエルとウサギが相撲する場面が知られていますが、これは「甲」巻に描かれています。

また、鳥獣戯画の正式名称が『紙本墨画鳥獣人物戯画』であることからわかるように、「丙」巻の前半や「丁」巻には人物が描かれています。

 

この「鳥獣戯画」4巻すべての所蔵者は、京都市の高山寺です。

しかしながら4巻のうち「甲」巻と「丙」巻は東京国立博物館に寄託され、残りの「乙」巻と「丁」巻は京都国立博物館に寄託されています。

 

寄託とは、文化財の所有権を所蔵者に留めたまま、博物館(美術館)で保管・展示等を行うことです。

鳥獣戯画の場合だと、国宝・鳥獣戯画の所有権は高山寺にありますが、現物(国宝・鳥獣戯画の絵巻物)を保管しているのは、東京国立博物館と京都国立博物館ということです。

 

つまり、高山寺に行っても国宝・鳥獣戯画を鑑賞することはできません。

(高山寺の石水院では、鳥獣戯画の複製画であれば展示公開されています。)

 

鳥獣戯画が寄託されている東京国立博物館や京都国立博物館でも、国宝・鳥獣戯画の絵巻物が常設展示されているわけではなく、通常は一般の来館者が立ち入れない場所で保管されています。

そのため、東京国立博物館や京都国立博物館へ行っても(通常は)鳥獣戯画を鑑賞することはできません。

 

鳥獣戯画を見ることができるのは、2021年4月13日~6月20日まで東京国立博物館で開催予定の特別展『国宝 鳥獣戯画のすべて』のような期間が限定された特別展のみです。

鳥獣戯画が展示される特別展の開催は不定期なので、鳥獣戯画が次にいつ展示されるのか?は、博物館などの公式発表を待つしかないです。

 

まとめると、国宝・鳥獣戯画は所有者の高山寺で見ることができず、寄託先の東京国立博物館・京都国立博物館でも通常は見ることができません。

不定期で開催される特別展でしか目にする機会はないのです。

鳥獣人物戯画が過去に展示公開された期間と場所

これまでの国宝・鳥獣戯画が展示公開された期間や場所を振り返って、次にいつ国宝・鳥獣戯画が展示されるのか予測してみます。

(「これまで」といっても2007年以降の展示実績のみです。)

 

サントリー美術館(東京都)2007年

展示会場:サントリー美術館

展覧会名:開館記念特別展 鳥獣戯画がやってきた!―国宝『鳥獣人物戯画絵巻』の全貌―

開催期間:2007年11月3日(土・祝)~12月16日(日)

展示会詳細ページ:サントリー美術館(開館記念特別展 鳥獣戯画がやってきた!―国宝『鳥獣人物戯画絵巻』の全貌―)

 

国宝・鳥獣戯画は、2009年から4年ほど解体修理が行われているため、その間、美術展覧会で展示されていません。

解体修理が終了した後のお披露目は2014年の京都国立博物館。

京都国立博物館(京都府)2014年

展示会場:京都国立博物館

展覧会名:修理完成記念 国宝 鳥獣戯画と高山寺

開催期間:2014年10月7日(火)~11月24日(月・休)

展覧会詳細ページ:京都国立博物館(修理完成記念 国宝 鳥獣戯画と高山寺)

 

東京国立博物館(東京都)2015年

展示会場:東京国立博物館

展覧会名:特別展「鳥獣戯画─京都 高山寺の至宝─」

開催期間:2015年4月28日(火) ~ 6月7日(日)

展覧会詳細ページ:東京国立博物館(特別展「鳥獣戯画─京都 高山寺の至宝─」)

 

九州国立博物館(福岡県)2016年

展示会場:九州国立博物館

展覧会名:特別展「京都 高山寺と明恵上人 -特別公開 鳥獣戯画-」

開催期間:2016年10月4日(火)〜11月20日(日)

展覧会詳細ページ:九州国立博物館(特別展「京都 高山寺と明恵上人 -特別公開 鳥獣戯画-」)

 

中之島 香雪美術館(大阪府)2019年

展示会場:中之島 香雪美術館(なかのしま こうせつびじゅつかん)

展覧会名:特別展「明恵の夢と高山寺」朝日新聞創刊140周年記念

開催期間:2019年3月21日~5月6日

展覧会詳細ページ:中之島香雪美術館(特別展「明恵の夢と高山寺」)

 

東京国立博物館(東京都)2021年

展示会場:東京国立博物館

展覧会名:特別展 国宝 鳥獣戯画のすべて

開催期間:2021年4月13日~6月20日

展覧会詳細ページ:東京国立博物館(特別展 国宝 鳥獣戯画のすべて)

 

解体修理後の2014年以降は、早ければ1年ごとに、遅くても3年ごとに国宝・鳥獣戯画が特別展で公開されています。

このサイクルなら、次は早ければ2022年に、遅くても2024年頃までには鳥獣戯画がどこかの博物館(美術館)で展示される可能性もあるのではないでしょうか。

美術館展覧会は、開催の数年以上前から準備されるものなので(もちろんそうでない展覧会もありますが。)、もし2020年代前半に国宝・鳥獣戯画の公開が予定されているなら、水面下では既に展示計画が進められているかもしれませんね。

 

次にもし国宝・鳥獣戯画が公開されることがあるなら、展示される可能性として高そうなのは、やはり国宝・鳥獣戯画を寄託保管する東京国立博物館や京都国立博物館ではないでしょうか。

2007年以降の鳥獣戯画の特別展で巡回展が実施されたことはありませんが、国立博物館で開催される特別展は、他の国立博物館に巡回することも少なくありません。

その意味では、九州国立博物館も国宝・鳥獣戯画が展示公開される可能性があるのではないでしょうか。

九州国立博物館は2016年に国宝・鳥獣戯画の展示実績もありますしね。

 

国立博物館といえば、東京・京都・九州(福岡)以外にも奈良国立博物館があります。

ですが奈良国立博物館は、京都国立博物館から電車(近鉄線&京阪線)で1時間ほどで行ける近い距離ということもあってか、これまでの特別展を見る限り、京都国立博物館の特別展が奈良国立博物館に巡回することはなさそうです。

 

なので、当ブログでは、次に国宝・鳥獣戯画が展示される可能性が高い場所として、東京国立博物館・京都国立博物館・九州国立博物館を挙げます。

もちろん、サントリー美術館や中之島香雪美術館のように、国立博物館以外でも国宝・鳥獣戯画の展示実績はあるので、これら以外の展示施設で、国宝・鳥獣戯画が展示される可能性もゼロではありません。